適切な工事と安全管理が行われずに建設された建造物は危険で、場合によって倒壊により多くの人間の命を奪ってしまう可能性もはらんでいます。
そのため建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによって、建設工事の適正な施工を確保し、発注者および下請けの建設業者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もつて公共の福祉の増進に寄与することを目的に制定された建設業法では違反者に対して厳しい罰則を設定されているのです。
罰則を確認しよう
建設業法に違反した場合、軽くとも10万円以下の過料が課せられます。
過料というのは行政罰の一種で金銭を徴収する制裁のことです。
より重大、悪質と判断される重い違反の場合は3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられます。
建設業法の違反で注意するべき点としては、対象者となるのは違反行為を行った本人だけでなく、行為者が所属する法人や個人事業主も罰則対象者になる点でしょう。
部下や他人に犯罪行為をやらせておいて、自分は何も知らなかった、あいつらが勝手にやった、だから自分は悪くないなどといったような、万国共通の政治家みたいな逃げ口上は許されないということです。
主な罰則適用例には以下のようなものがあげられます
☆無許可で営業を行った
☆下請けに過度な負担を与えた
☆下請けに資財や機器の購入を強制した
☆営業停止処分を受けていながらそれを無視して営業を行った
☆虚偽の事実にもとづき営業の許可を得た
☆許可申請や変更届、経営規模等評価申請などに虚偽の情報を記載して提出した
☆工事現場に主任技術者、管理技術者を置かなかった
☆許可行政庁からの報告、資料提出に応じない
☆虚偽の報告をした
☆許可行政庁などの検査を拒否または忌避した
☆営業所や工事現場ごとに掲げる標識などの掲示義務を守らなかった
☆営業所に帳簿を備えていなかったり、帳簿に虚偽の記載をした。
多くの罰則適用例は意図的に不正を行おうとしない限りは防ぐことが可能です。
標識の表示義務など不注意やど忘れによって起こりうるケースに関しては二重三重のチェックシステムを導入して対策することをおすすめします。
過料以上の罰則を受けた場合、建設業許可は取消される可能性があります。
また建設業許可が取り消されるとペナルティに応じた欠落期間が設定されます。
欠落期間中は建設業許可を再取得することができません。
建設業許可の欠落期間は原則として5年です。
5年間建設事業者として仕事ができないとなれば大抵の企業は倒産の危機に陥ります。
あなたがせっかく立ち上げた事業を危機に陥らせないためにもルールは必ず守るようにしてください。