建設業許可ではその許可を所管する役所にて書類審査が行われますが、このときその書類の中に財務諸表のうち貸借対照表が求められます。
貸借対照表ってなに?
そもそも貸借対照表は損益計算書と並ぶ決算書類の一つであり、資産や負債などの状況を示したものです。
そのためこの建設業許可申請を行ったところの資産や借金をはじめとする負債をいくら有するのかが一目で分かるようになっています。
この貸借対照表を提出させる意味としては事業を行うだけの財政的な余力があるかどうかを確認するためです。
資産などがないのに建設業を行えるものかどうかという話になりますので、通常はこうした書類を提出させることでチェックを行います。
このとき規模だけではなく負債の金額などもチェックを行う場合があり、負債の状況によっては事業の継続性に疑問を保たれる可能性があるものです。
負債では短期借入金の額が巨額である場合、特に事業の継続性に疑問符がつきます。
借金の返済で事業を継続して行えるかどうかは確かに難しい問題になり得るため、この負債について処理をどうするのかなどの質問が軽く出ることはあります。
したがって事業を本気で行いたいと希望して書類を提出する以上、いい加減な気持ちではだめだということです。
質問に的確にしっかりと答えられるようにはしておくことが必要です。
貸借対照表は税務署などに提出を行いその後法人税などの納税が必要であれば税金を支払います。
そのときの資料ですが決算時期などは企業ごとで異なりますので、建設業許可申請では直近のもので構わないとするのが一般的となります。
無論建設業許可申請を提出する時期が決算時期と重なる可能性はありますから、その場合は提出先の行政機関に確認を要します。
この貸借対照表は建設業では勘定科目が一般の企業などと異なる点もあります。
ただしこれから新規で始めようというところではそもそも建設業に関する勘定科目が使用されている可能性は低いです。
したがってそれほど心配をする必要はありません。
貸借対照表と損益計算書では見方が違いますから一概には言えませんが、利益または損失だけでは必ず同じ金額になります。
違う金額が計算されることはあり得ません。簿記会計の一般的なルールですので、提出を受ける行政側も当然ながら知っている話です。
なお、損益計算書を求められることは一般的にはありませんが、すでに事業を行っている場合などにあっては参考として求めるケースもあります。