建設業は、道路や橋、河川改修などを行う土木工作物を建設する土木に関する工事と一軒家やアパート、マンション、事業用ビルなど建築物を建設する建築に関する工事とがありますが、これらの建設工事の対象は欠陥があったりするとそれを利用している人の他にもその周辺の人にも被害を生じさせるおそれがあります。
このような不特定多数の人に関して利害が生じるものであるため建設工事の適正さを確保する必要があります。
その手段として軽微な工事以外の工事を受注して営業する場合においては建設業許可を得るという許可営業業種としての規制が加えられているのです。
この建設業許可を得るための要件として、専任技術者の配置などの人員配置の問題と財産的基礎といった資金ショートにより工事中断などで発注者に迷惑をかけない財産要件の問題等がありますが、今回はその中でも得にハードルが高い経営業務の管理責任者についてみていきましょう。
管理責任者とはどのような人なのか?
もともと建設業法が想定している建設業の事務の遂行の流れとしては、建設業許可を受けた業者の営業所において発注者と協議をしながら、専任技術者が施工技術面のアドバイスをしながら発注者に施工方法や見積もりなどを提示して最終的に契約を締結するということを想定しています。
この契約業務に関して法人などである場合には契約を締結した者の行為が会社に帰属するという権限がある状態である必要があります。
そこでこのような権限がある人を営業所に配置しておきましょうということで経営業務の管理責任者が人員配置基準として定められているのです。
この経営業務の管理責任者の要件はハードルが高く、実務経験のみがものをいうこととなっています。
許可を受けようとする建設業と同じ業種の経験については会社の役員や個人事業主、会社の営業所の所長(契約締結権限あり)などの地位に就任して5年以上の経験を積んだ者及びそれに準ずる地位にあるものについては6年以上の経験を積んだ者のみ認められるというもので、許可を受けようとする業種以外の業種の経験については役員、個人事業主、会社の営業所の所長(契約締結権限あり)などの地位に就任して6年以上の経験が必要ということになっています。
この経営業務の管理責任者は国家資格等で代用できないため従たる営業所を展開していくことを考えていたり、自分の次の経営業務の管理責任者をすえようと考えている場合には会社の場合には役員等に就任させておいて経験を積ませるということが必要となるのでその点に留意しておきましょう。