これは建設業に限ったことではありませんが、経営している事業を成功させようと思うのであれば、誠実であることは基本的に必要な条件とも言えるでしょう。
特に、建設業許可の要件として上記の「誠実であること」が要件として挙げられていることは非常に興味深いことと言えるのではないでしょうか。
では、この建設業許可の要件に関連した誠実性とは一体どのようなことを指して言っているのでしょうか?
今回は「誠実性」の部分にスポットを当ててみましょう。
設業許可の要件に誠実性が挙げられている理由はなぜなのか?
建設業許可の要件としてわざわざ誠実性が挙げられているのは不思議なことかもしれませんね。
事業を行っている場合であれば、誠実であることは当然必要な条件であるとも言えますが、特に建設業は規模の小さな事業ではないということが誠実性を要求される大きなポイントになっています。
工事の規模や高度な技術を要求される難易度の高いものであれば、完成までに必要とされる期間は当然ですが非常に長くなりますし、なおかつ1件当たりの金額も通常の事業の取引額よりも、かなり高額になることは推察されます。
こうした大きな事業において、本当に安心できる取引を行なうためには、やはり誠実さが大前提となることでしょう。
建設業の経営に携わる人に求められてる誠実性を理解しよう
法人の場合でも個人事業の場合でも、建設業の経営に携わるあなたには誠実であることが求められています。
例えば、法人の場合ですと、非常勤を含む役員全員、実質的な経営者、さらには支配人や営業所の代表者などにも誠実性は求められるものとなります。
また、個人事業主の場合であれば、申請者や支配人、さらには営業所の代表者に誠実であることが求められています。
つまり簡単に言えば、建設業に携わっているすべての人に清廉潔白であることが必要とされているわけではなく、事業の経営に携わっている人に「誠実性」が要求されているということを十分に理解しておいてください。
不正または不確実な行為とは何を指すのか
では、建設業許可において誠実さを判断するための基準とはいったい何なのでしょうか?
原則としては、これまでの事業を行ってきた期間に他の法律などで行政処分を受けた経験があるかどうかといった要素によって判断されることになるでしょう。
ここで言う法律の代表的な例としては、宅地建物取引業法や建築士法などを挙げることができます。
例として、過去に上記に挙げた法律などに違反したことが原因で、免許が取り消されたとしましょう。
そのような場合、最後に取り消し処分を受けた日から5年以上経過していないと、誠実性がないとして判断されることになってしまいます。
そのように判断されてしまうと、請負契約に関して不正または不確実な行為をする恐れが全くないとはみなされないため、建設業許可を受けることが非常に困難になってしまう可能性は高いでしょう。
もちろん、過去にこれらの法律上の処分がなければ、まずこの要件に関してはそれほど心配する必要はないでしょう。
しかし、このように一般的には厳しいと思われる要件を課すことによって建設業を行う法人や個人の安全性が確保されているのです。