建設業許可には13の欠格要件が定められており、欠格要件に1つでも引っかかっている項目があると許可を得ることができません。
また、既に許可業者として活動をしている建設業者も、欠格要件を満たしていれば許可が取り消しとなってしまい、以後の業務が大幅に制限されます。
この欠格要件の一番最初の項目は「成年被後見人もしくは被保佐人または破産者で復権を得ないもの」となっていますが、これは文字通り、成年被後見人、被保佐人、復権を果たせていない破産者の三者は建設業許可を申請する資格が無いことを意味しています。
復権の意味と事例を理解しよう
今日では、復権は一度は衰退したり、失格とみなされたものが、後になって見直されて再び日の目を見るようになるという意味で用いられることが多いですが、本来は法律用語で、法令が適用されて喪失あるいは停止となった権利や資格が回復することを指します。
日本では、支払不能や債務超過の状態を打開するのが困難になった状態で裁判所に申し立てを行い、破産手続開始の決定を受けた瞬間に破産者となり、財産の管理と処分に関する権限だけでなく、旅行や転居、郵便物の受信が制限されます。
また、申立人が就いている職業を規制をするための法律が存在し、なおかつ条項の中に資格喪失要件が定められている内容が含まれていれば、破産者となった瞬間にその職業に関する資格も制限されてしまい、仕事をするのが極めて困難になります。
復権には大きく分けて、法律で定められる事由が起きた時に無条件で得られるケースと、裁判を経て認められるケースの2つがあります。
破綻をしてしまった人のほとんどは、裁判所が出した免責許可の決定が確定すると復権が認められ、旅行や引越し、物品の処分が自由にできるようになります。
また、資格喪失時に就いていた職業の扱いについてはその職業に関する法律の規定によるとされていますが、多くの職業は制限が解かれるとともに必要な手続きをとれば再び仕事ができるようになっています。
例えば、宅地建物取引士は根拠法に資格喪失要件が存在しており、裁判所から手続開始の決定を受けると欠格事由を満たすため登録が取り消されてしまいます。
しかし、免責許可決定が確定すれば資格制限が解除され、再度登録手続きを行って受理されればふたたび宅地建物取引士として活動できるようになります。
このような規定が存在する職業には宅地建物取引士以外にも弁護士、公認会計士、警備員、銀行役員、NPO法人役員などたくさんあります。
建設会社の役員を決める際には、欠格要件に該当するものがないかどうかを慎重に調査しましょう。