建設業の生業を下請けも含めて広く行っていくためには、必ず建設業許可を受けることが必要になってきます。
建設業許可の種類には、一般建設業許可と特定建設業許可の2種類があるわけですが、請負金額や官公庁への競争入札参入、下請け先への発注を考えてみた時に、特定建設業の許可を受けておいたほうが何かと便利になるといえます。
建設業の許可証を当局より指定してもらうためには、クリアしなければならない様々な数値項目があるわけですが、財務面でクリアしなければいけない項目について順次説明していきます。
建設業審査の面では独立した審査項目として財産要件というものが存在します。
世間一般的にいっても、わかりやすい項目だといえるの資本金額だといえますが、特定建設業の場合は2,000万円が最低必要とされます。
建設業として飛躍を考えているのであれば、計画的に資本金額を増資していく必要があるのです。
また自己資本の額の累計、簡単にいえば、過去からの儲けの累計ともいくことができますが、この部分は4,000万円以上の金額の累計がなければいけません。
儲けが出たからといって配当等で社外流出させることがないよう、ある程度は内部留保させていくことが求められています。
また欠損の額が資本金の金額の20%以内であることが求められています。
例えば資本金の金額が2,000万円であれば、20%となりますと400万円となります。前年度からの繰越損失の勘定項目があれば、その金額は400万円以内になるように黒字計上することにより縮小・解消していく必要があるのです。
最後に流動比率の項目ですが、一般的に流動比率は何%あればよいとされているのでしょうか。
アメリカの経営管理の手法ですと、バンカーズレシオと呼ばれる項目となっており150%以上が理想であるとされているのです。
因みに流動比率は、受取手形や売掛金といった流動債権を、支払手形・買掛金といった流動負債で割ったものになります。
1か月~3か月といった短期的な支払能力が十分あるかどうかを確認する意味での管理手法となるのですが、日本企業の流動比率の一般的な尺度は120%程度もあれば十分で100%でも短期的支払能力には懸念がないということの評価になるようです。
建設業許可が求める流動比率は75%以上あればよい、という水準ですから一般的な管理レベルからすれば、クリアすべきレベルとしてはそんなに高いハードルではないといえると思います。
更新審査の際には各種数値が許可申請の最低レベルを下回らないよう、注視しつつ経営にあたっていくべきでしょう。